2019年8月25日に定期配信#11として「リイエルのネット小説概論」を発表させてもらいました。
この放送ではリイエルが思うネット小説の現状を分析しました。 ブログではこの分析を更に深堀りしてわかりやすくまとめたものを、披露したいと思います。
まとめ記事1回目は、歴史年表です。よろしくおねがいします。
はじめに
- 2018年8月25日に放送した内容に加筆修正を加えたものです。そのため、この記事は2019年8月頃の状況をもとにしたものです。
- 個人の主観が大いに含まれます。
- ちゃんと調べて書いているつもりですが、間違っている箇所があれば教えて下さい。
- この放送ではネット小説とは小説家になろうに代表されるような投稿サイトに投稿される作品のみを指します。
- 比較的歴が浅いので、理想郷などのなろうブーム以前はわかりません。
- それ以外については2chのSS以外はあまり詳しくないのでご了承ください。
- どちらかというとサービス運営に近いところを中心に分析するつもりで書いています。
- 過去の分析よりも、現状分析のほうを中心にした記事群です。
- 小説家になろうとそれをとりまくエコシステムを中心に書いています。
- 二次創作が中心のサイトは、今回は意図的に省いています。商業出版がされることが多いサイトを中心に書いています。
- 主にネット小説におけるライトノベル的な作品を中心に分析しています。
- 放送時に使用したスライドはこちらになります。
ネット小説サイトの歴史
大まかな歴史
ネットの古の時代には以下のような文化がありました。
- 個人サイトで小説を公開する文化
- ケータイ小説
- 2chのでSS(まおゆうなど)
それから時間がたった現代ではこのような事になっています。
小説家になろうが流行りました。ネットから小説が沢山出版されたので、自社で囲い込みをするために類似サイトが色々できました。 それによって、類似サイトがここ1年ぐらいで急増しています。
ネット小説サイト年表
ネット小説の歴史を年表に起こすとこのようになります。
- 2004年4月 小説家になろう(個人サイトとしてスタート法人化は2010年)
- (不明)アルファポリス-電網浮遊都市- 開設(出版事業が先らしい)
- 2010年5月 E★エブリスタ(現エブリスタ)開設(DeNAとNTTドコモの共同運営)*1
- 2010年7月 pixiv小説投稿機能リリース
- 2015年5月 ストリエ開設(KADOKAWAと提携。運営:インデックス→メディバン)*2
- 2016年2月 カクヨム開設(KADOKAWAとはてなの共同プロジェクト)
- 2016年7月 ツギクル開設(SBパブリッシング子会社)
そして、2018年からネット小説サイトは戦国時代になります。
- 2018年1月 ノベルバ開設*3
- 2018年5月 マグネット(現マグネットマクロリンク)開設(運営:UDリバース。書籍の出版は「サンクチュアリ出版」)
- 2018年8月 NOVEL DAYSリニューアル*4(講談社)
- 2018年11月 Alight ノベル版開設(個人サイト)
- 2019年2月 セルバンデス開設*5(講談社)
- 2019年4月 ノベマ!開設(スターツ出版)*6
- 2019年4月 待ラノ開設(個人サイト)
- 2019年4月 SCRAIV開設*7(個人サイト)
- 2019年5月 ノベルアップ+開設*8(ホビージャパン)
- 2019年8月 LINEノベル開設*9(編プロはストレートエッジ)
なんと!2018年1月から2019年8月までの間に、私が調べただけでも10サービスが(ネット小説のために)リリースされていたのです!
10サービスも一度に増えるとユーザーの分散が大変なことになります。 少ないユーザーを囲い込むために、投稿機能だけ先行リリースして宣伝する形も増えました。
ですが、CGMは製作者も利用者も限られているため、囲い込みに失敗したサービスは潰れていくと思われます。
続:ネット小説サイトのパワーバランス
次の記事では、雨後の筍のように増えたネット小説投稿サイトのうち、いま勢いのあるサイトというのはどのサイトかというのを分析していきたいと思います。
*1:エブリスタが設立された当時、DeNA運営のモバゲータウン(現mobage)の小説投稿機能がケータイ小説でトップであり、スマホ対応を行うためにNTTドコモと合弁で設立したのがエブリスタ。実際にトップを走っていた当時のデータも見つかりました。
*2:ストリエはチャットノベルですが、出版社がネット発の小説とライトノベルの組み合わせを考え始めた事例として追加しています。
*3:ノベルバWeb版のリリース日です。スマホでのチャットノベルは2015年に始まっていたそうです。
*4:NOVEL DAYSはもともとチャットノベル投稿サイトだったトークメーカーを講談社が買収して小説投稿サイトとしたものです。
*5:セルバンデスは12月頃から投稿募集はしていました。
*6:同じスターツ出版のケータイ小説サイト野いちごを継承する形で開設されたのがノベマです。
*7:正式リリース日。プレリリース日は不明です。情報求めております。
*8:ノベルアップ+プレリリース日。正式リリースは7月
*9:iOS版アプリリリース日